AIを業務に取り入れる流れは、チャットや資料作成だけでなく、「会議運営」そのものの効率化にも広がっています。
特にTeamsやZoomは、AIツールと連携させることで「議事録作成」「要点抽出」「タスク化」までを自動化できるようになり、もはや“録音して終わり”の時代ではなくなりました。
この記事では、Teams・Zoom × AIの実践的な連携設定を紹介します。
実際に業務で使えるレベルのワークフローを中心に、無料で始められる範囲から、法人向けの導入検討まで解説します。
1. まず押さえたい基本:AIが「何を代行できるか」
TeamsやZoomはどちらもAIアシスタント機能を強化していますが、サードパーティのAIツールと連携することで、次のような自動化が可能になります。
分類 | できること | 代表的なツール例 |
---|---|---|
文字起こし | 会議音声を自動でテキスト化 | Whisper、PLAUD、Otter.ai |
要約生成 | 長い議事録を要点に整理 | ChatGPT、NotebookLM |
タスク抽出 | 「次にやるべきこと」をリスト化 | ChatGPT、Notion AI |
会議メモ管理 | すべての会議メモを1ページに統合 | Notion、Google Docs、Airtable |
AI活用の本質は、人が読む前にAIが整理しておくこと。
これにより「聞き逃し」「まとめ漏れ」「共有の手間」が激減します。

2. Teamsで使えるAI連携設定
Microsoft Teamsは、Microsoft 365との統合が進んでおり、Copilot for Microsoft 365を中心にAI連携を強化しています。
🧠 Copilot for Teamsの主な機能
- 会議中に「この議題の要点をまとめて」と指示可能
- 会議後に自動で「会話サマリー」を生成
- 発言者ごとのトピック整理やタスク抽出も対応
例:
「この会議で決まったことを3行でまとめて」
「山田さんに関するアクション項目をリスト化して」
これだけで議事録が下書きレベルで完成します。
🔧 外部AIツールと併用する設定例
Copilotが未導入でも、外部AI連携で似た仕組みを作ることは可能です。
手順例(無料~低コスト構成)
- 会議を自動録音(Teamsの録音機能をON)
- 録音ファイルをOneDriveに自動保存
- ZapierやMakeを使ってChatGPT APIに送信
- 生成された議事録をNotionまたはGoogle Docsに保存
この設定で、「録音 → 要約 → 議事録完成」までを自動で回せます。
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3. Zoomで使えるAI連携設定
ZoomもAI連携が非常に強く、2024年以降は「Zoom AI Companion(旧Smart Summaries)」が標準機能になっています。
🤖 Zoom AI Companionの主な機能
- 会議中に自動で要点を検出し、リアルタイム要約
- 会議後に「Summary(要約)」と「Action Items(行動項目)」を生成
- GmailやGoogleカレンダーとも同期可能
ただし無料プランでは制限があるため、外部AIツール連携で拡張するのが実用的です。
推奨構成(Zoom+PLAUD+ChatGPT)
- Zoomで会議を録音(クラウド保存を選択)
- 録音データをPLAUDにアップロードして文字起こし
- PLAUD連携のChatGPTで議事録+要約+タスク抽出を生成
- NotionやSlackに自動投稿
この仕組みは、“後処理を自動化する”点で非常に有効です。

4. Notion連携で「会議メモ」を資産化する
AIで作成された議事録を「Notion」に自動蓄積すると、ナレッジが勝手に溜まる仕組みが作れます。
💡 Notionでの整理構成例
フィールド | 内容 |
---|---|
日付 | 会議開催日 |
会議名 | Teams/Zoomタイトル |
要約 | ChatGPTが生成した3行サマリー |
タスク | 次にやるべきアクション |
ファイルリンク | 録音データ or PDF添付 |
さらに、Notion AIを使えば「過去会議の要点まとめ」「同テーマの議事録横断検索」なども可能になります。
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5. 現場で使えるAI連携プロンプト集
最後に、実際にTeamsやZoomの議事録処理に使えるプロンプトを紹介します。
✅ 会議要約用
この会議の要点を5つに整理してください。重要な決定事項と担当者が分かるようにまとめてください。
✅ タスク抽出用
この議事録から「次にやるべきこと(担当者・期限含む)」をリストアップしてください。
✅ チーム共有用
Slackに貼る用の短い要約を作成してください。100文字以内で、結論とアクションだけを記載してください。
まとめ:AI連携の本質は「人が会議に集中できる環境づくり」
AIをTeamsやZoomに組み合わせる目的は、「議事録を作ること」ではなく、
「会議参加者が考えることに集中できる環境をつくること」です。
AIが記録・要約・整理を担うことで、
- 会議後の共有工数が減る
- 情報がNotionなどで再利用できる
- チーム全体のナレッジ蓄積が進む
という好循環が生まれます。
特に、これまで紹介してきた記事(返信テンプレ生成術、ToDo可視化、SEO最適化術など)と組み合わせれば、AIが日常業務全体を底上げする仕組みを構築できます。
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